低音障害型感音難聴の人が、仕事中に「つらい」と思うこと
低音障害型感音難聴になったことは、上司や同僚には伝えているのですが、なにぶん目に見える病気ではないので、時々「つらい」と思うことが起こります。今回は一種の「あるある」だと思って読んでいただけると幸いです。
声の大きい人がつらい
私の場合、男性の声の低い人と、子どもの高い声が耳に響いてつらいのですが、それ以上につらいのが、声の大きい人です。会話をしている時は「すみませんちょっと耳が…」と言えるのですが、隣の席とかで議論していてヒートアップされると、本当にキツイです。
私は会社では耳栓などはしていないのですが、つらい時は耳栓をすることにしています。最初は「うっせーなお前!」って言っているようで感じ悪いかな、と思っていたのですが、意外と皆さん気にしてないようなので、躊躇することはなくなりました。
ちなみに、上のような半透明の耳栓を使っています。ちょっと高いけど目立たないので(自分の)心理的にもつけやすくて良いです。
WEB会議のスピーカーがつらい
大勢で会議室等を使ってWEB会議をやる時、これがまたつらいです。
やたらスピーカーの音量を上げる人がいるんですよね。このボリュームで聞こえてないの!?難聴ですか?あ、難聴は私でした。といった感じで、本人に悪気はないんでしょうけど、そこまで上げなくても全員聞こえてるよ。。と言いたくなる時があります。
ちなみにこの時も耳栓を付けます。でも時々、めちゃくちゃ声の小さい人がいたりして、それはそれで聞こえなくて不便。
電話している時に、他の人に話しかけられるとつらい
私は左耳が難聴なので、電話の受話器は右耳に当てています。で、得意先さんと次の打合せについて日程調整などをしている時に「あ、その日オレ無理だわ。日変えて」と上司が言ってきたりしても、全然聞こえません。
隣の人が「ねえねえ、21日は無理だって言ってるよ」とか親切心で伝えてくれたりするんですが、その声も聞こえません。
「あ、ちょ、ちょっとすみません。周りが何か言ってるんで」と、電話口の会話を中断しないといけなくなるのが申し訳ない。
自分の仕事に集中している時に話しかけられるとつらい
デスクに座って集中して仕事している時は、完全に外部シャットアウトモードなので、元々話しかけられても気づかないことが多かったのですが、低音障害型感音難聴になってからは、より酷くなりました。自分ではわかりませんが、たぶん、結構な頻度で呼びかけを無視してると思います。
これ、私の病気に理解のある人が職場に多いので何とかなっていますが、場合によっては結構キツイのかなぁと思ったりします。上司の呼びかけを無視するとか、下手したら懲罰ものですもんね。
低音障害型感音難聴患者の周りの人にお願いしたいこと
というわけで、つらいことを書いてきましたが、では周りの人はどうすればいいのか。って言うかどうして欲しいか。
必要以上に大きな「声」を出さないで欲しい
ま、端的に言うと「そんなでかい声出さんでも聞こえてます」ってことです。これは難聴患者に限った話ではないとは思いますが、場所に応じた声のボリュームというのを意識して欲しいなと思います。
必要以上に大きな「音」を出さないで欲しい
上と同じなんですが、物音です。スピーカーの音とか、どたどた歩く音、ドンドンと本を揃えたり物を叩いたりする音も、ちょっとだけ配慮いただけると助かります。
話しかけるときは身振りを交えて欲しい
正直言って、話しかけられても気づけないことの方が多いです。なので、肩をトントンするとか、視界に入ってきて手を振るとか、「話しかけてるよ!」というジェスチャーを交えてもらえると非常に助かります。
すべては「難聴は目に見えない」のが原因
ここまで色々書いてきましたが、やっぱりすべてのコミュニケーションエラーが起こる原因は「難聴は目に見えないから」なんですよね。イヤーマフを付けてたり、「私は難聴です」と書いた帽子をかぶったりしていたら外見でわかるんですけど、職場でずっとそうするわけにもいきません。
やっぱり患者が自分から、周りの人に根気強く説明することが大事なんじゃないかと思います。一回理解してもらえると、その後、助けてくれる人も結構多いです。
難聴を自分からカミングアウトするのは気が引けることですが、それを言わないことで、自分も周囲の人も嫌な思いをする、ということがあってはいけません。職場はコミュニケーションが大事です。まずは理解してもらうところからスタートです。
ちなみに私は、家ではイヤーマフを付けていることが多いです。「今、聞こえてないよ」と「今日は耳の調子が悪いよ」というのが、子どもたちにも視覚的に伝わりやすいので、重宝しています。
↑これ良いです。換気扇とか、電化製品のノイズをほぼシャットアウトできるので、在宅勤務をしている時は一人でもこれ付けてます。集中できます。