低音障害型感音難聴と生きる

2021年に低音障害型感音難聴と診断された、30代後半男性が綴るブログ

初めて耳鼻科を受診したきっかけ

今回は私が耳に違和感を覚えて、初めて耳鼻科を受診するまでの経緯を書いてみます。当時、備忘録的にメモをつけていたので、私のリアルな体験を感じてもらえればと思います。

その時は突然やってきた

会社で上司と何ともない雑談をしていた時でした。

左耳の中でポコッと音がしました。その直後から、左耳だけ、聞こえる音が「ぼわわーん」とエコーがかかったようになりました。

上司に「あれーなんか左耳が急におかしくなったんですけどw」と言ったところ、「それ早く病院に行った方がいいよ」と。娘さんが突発性難聴にかかったことがあるらしく、当時は目眩やら吐き気やらで大変だったとかで、発症した時も、急に音が聞こえにくくなったそうな。

私、唯一の自慢が肉体的な健康で、30代になって始めたフルマラソンも4回完走。おなかは全く出ていませんし、今までかかった大きな病気と言えばイボ痔と切れ痔くらい。ということもあり、自分事とは思わず、「へー娘さん今は大丈夫なんすか?」みたいな感じで、いつの間にか話題は上司の娘さんの話に変わっていきました。

その日、家に帰ってからも左耳だけが「ぼわわーん」としていたのですが、まぁ一晩寝りゃ治るでしょう。と思い、いつもどおり子どもと風呂に入って酒を飲んで寝たわけです。

日に日にひどくなってくる

翌日。

起きても「ぼわわーん」。全然治っていません。私は管理職サラリーマン、そして妻子ある身。体が資本ですので、これはひどくなる前に病院に行くべきだ、というのは直感的にわかりました。なんか昨日から左耳がおかしいから、会社帰りにちょっと耳鼻科寄って帰るね、と妻に伝えていつも通り出勤。しかしネットで調べてみると運悪く、その日は通勤経路にある耳鼻科は休診でした。ま、明日行きましょう。

翌日。

昨日よりひどくなっています。昨日までなかった、下の子の高い声がやたらと耳に響く、という症状が出ています。いや響くというよりは、鼓膜がぐぐっと強く押されるような痛み。これは本当に早く病院に行った方がよさそうです。

診療時間が始まってすぐ、耳鼻科に電話してみました。というのも、当時はコロナ禍の真っ只中。その耳鼻科ではコロナ患者の診療を行っていたので、私のような者が行ってすぐに診察をしてもらえるかどうかを問い合わせたんです。すると、密を避けるためにネットで予約をして欲しいとのこと。了解。

で、ネットで予約サイトを開いたところ、なんと時間指定ができません。予約番号が若い順に診療するシステムのようで、時間が全く読めません。しかも、呼び出しから30分過ぎると自動キャンセルされる、と。さらに10時時点で既に午前の受付は終了。AM/PMの上限に達した時点で予約を止めるとのこと。これは困った。

午後、16時ぐらいに仕事がひと段落して予約サイトを開いたのですが、案の定、その日の受付は既に終わっていました。なんてこった。フルタイム勤務のサラリーマンにとっては難敵です。明日また耳鼻科に予約のコツを問い合わせてみることにします。

4日目、なぜか治った

翌日。

起きるとなぜか耳がすっきりしています。あれー普通に聞こえる。子どもの声もまったく響きません。ちょっと不安は残るものの、症状がない状態で耳鼻科に行っても仕方がないので、とりあえず様子を見ることにします。この日は金曜だったので土日再発しなければいいなぁ、と思いながら。

そして再発

日曜の夕方。

昼寝から起きると症状が再発しています。子どもの声もガンガン響く。あと、音がロボットの声のような聞こえ方になってる。右耳をふさぐと人の声が「のの、のーののの。ののの、ののーのの」みたいに聞こえて、何を言っているのかさっぱりわからなくなっています。

ちょっと「耳クソが溜まってただけ」説を信じつつあったのですが、やっぱりそうじゃなかったです(耳掃除はマメにしてるので、違うに決まってる)。

ここで初めてGoogle先生に症状を相談してみました。

いろいろ調べた結果、この2つが有力候補に挙がったのですが、どっちもちょっと違う気がする。目眩とか頭痛とかないし。ま、どっちみち耳鼻科で診てもらえばわかるので、あまり気にしないことにします。

予約システム意味なし(いい意味で)

月曜日。

耳鼻科に電話を掛けて、きょう絶対に診てもらいたい旨を伝えました。すると「予約だけ入れてもらって、診察時間内の来れる時間に来てください。呼び出しは無視してもらっても大丈夫です。多少お待たせするかもしれませんが」と。えーっと、予約の意味なくない?と言いたくなりましたがそこは堪えました。

昼一番に予約。すると15時頃に呼び出しがあって、これは指示通りスルー。17時半に会社を出て、耳鼻科についたのが17時45分。待ってる人は3名程。書面で簡単な問診があって、18時10分には診てもらえました。予約の意味なくない?

予想は外れる

防音室で数種類の聴力検査を受けた後、先生に診てもらいます。「耳の中も鼻の中もすごくきれいです」と褒められました。なんかよく分からんが、褒められるとうれしい。

で、パソコンで聴力図(オージオグラム)を見ながら言われたのが「低音障害型感音難聴のお手本のような聴力図ですね」。初めて聞く病名ですが、これは全然うれしくないことなんだろうな、というのはすぐにわかりました。

「発症から1週間空いてしまったのは痛手ですが、まだ治る可能性があるのでステロイドを頑張ってみましょう」と言われました。頑張る、という言い回しが私にはよく理解できなかったのですが、後で調べてみると鬱・不眠などの副作用が起こることがあるみたいですね。でも、私には何も起こりませんでした。良い作用も、悪い作用も

振り返ってみると

当時のことを振り返ると、異常を感知した時、すぐに病院に行っておけばよかったという思いは、やっぱりあります。でも、その時の自分の行動を後悔しても仕方がありません。一生、低音障害型感音難聴と付き合っていく覚悟をした今となっては、一人でも多くの人に「聞こえがおかしくなった時は、とにかく早く病院に行って診てもらった方がいいよ」と伝えるのが私の使命だと思っています。